オランダに住む

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しごとはどうする?

実際は、日本でお付き合いしていただいてるクライアントの案件を続けています。なので、オランダで職探しをしているわけではないのですが、すこしずつでもつながりを増やしながら、現地のクライアントさんを増やしていけばいいなと思っています。まず英語はよやれっていう話ですね。(相方にも散々言われています。。

なぜオランダ?

こういう質問をよくされるのですが、相方に巻き込まれました。言われてそのときは、さすがに迷いました。私としては、(神戸に骨をうずめるつもりで)家も買っていたし、保険も何十年も住む前提で入っていたし、国外に住むっていう想像はしていなかったので。

その後、調子のって「オランダいくよ」と拡散したのは僕です。そうして、後に引けなくなっていったという。。。

なので、実はあんまりオランダのことわかってません。相方から教えてもらったことをそのまま伝えています。ただ、制度的に日本人は移住しやすい、とか、教育に関してはかなり進んでいるとか。。。ざっくりとしたことは言えますが詳しいことは答えられません。

とはいえ、何回かオランダに行き、現地の人と接するなかで、(そのほかのヨーロッパ諸国に行ったことはほぼないですが)居やすい国だなあとは、人となりで感じていて、住むならオランダがいいなあとおぼろげに感じてはいました。

はたらく「場所」と「時間」についておもうこと

10年以上ソフトウェアハウスではたらいて、AWSを知り、コミュニティ活動としてJAWS-UGをやりだして、自分の「はたらく」ということへの価値観はかなり変わっていきました。特に「場所」と「時間」について。

「場所」にたいする考えかたの変化

派遣として客先でソフトウェアを開発し、自社のサーバー管理もやっていた私は、インシデントがあるたびに自社に戻って夜な夜な作業をしていました。客先からでもセキュアに、リモートで管理できる状況だったらどれだけ楽になるだろうと、考えていました。

そんなときに、AWSを知りました。サーバーの調達、管理を自分がどこにいてもできる状況が作れるかもしれないと。そして、どこにいても調達、運用、管理ができるのだったら、会社に行くという行為自体にも疑問が湧きました。ほとんどのことは家でできるのではないか?。。と

ことわ(ら)or(れ)ない性格と自分をよく見せたいエゴの塊。面と向かって話すのが苦手で、否定されると攻撃されてる気がして、すぐ凹むので、とにかくイェス、やります。と言ってきました。それでも、なにかすることは自分にプラスになるにちがいない。と思い込むようにしてきました。回り道でもいいじゃないと。正直逃げてます。気がついたら、業務以外のこともやることになって、遅くまで仕事をしていました。その経験が今に活きていることも事実なので、一概に否定はできませんが、娘が生まれてからは、相方に娘の世話をまかせて自分はあいかわらず、、、仕事の波はあれど、おそくまで帰ってこないことはあまり変わってなかったです。会社員として給料が高いほうではなかったけれど、月々決まった収入があり、生活を支えているのだから、それくらいやれよ。という思いがあったんだと思います。

こんな感じだった私が、「場所」はどこでもいいかもしれない。と考えたときに、自分の「はたらく」に対する考えかたにも変化が現れてきました。家で仕事ができるのなら、出勤時間がなくなる、家のこともできる、仕事の時間は時間をずらすことで今までどおり確保できる、以前からフリーランスで活動していた相方も仕事が増やせる、総じて(僕の収入は減るかもしれないが)家庭として収入は減らない(かもしれない)。

「時間」にたいする考えかたの変化

会社員時代、私は「自分の時給を上げるには、周りの人と比較して技術力がある、開発の知識がある、という人になること」と考えていました。この考えかたは今も変わっていません。ですが、AWSを知ったあと、会社を退職する2年ほど前から、次のような疑問を持つようになりました。「自分の持ってる技術、知識は評価され、会社に還元されているのだろうか?」と。AWSのコミュニティに参加するようになり、会社の外に出て業界の流れみたいなものが感じられるようになりました。そこで、私は「自分の持ってる技術や知識が、ほんとうはどれくらいの価値があるんだろう?」と考えるようになりました。

退職する1年ほど前、「納品をなくせばうまくいく」という本に出会いました。

「1人月、1日8時間、月20日、月200時間で〇〇万円」これだと、例えば派遣契約を前提として、同じ作業量を1日で終わらせた人と1週間かかって終わらせた人の(金額的な)価値は同じです。前者は1日で作業が終わっているので、1週間でより多くの作業をこなせることになりまが、金額的な価値は同じです。実際は、前者のほうがクライアントからの信頼を得られますし、契約更新の際には継続していただける確率は上がります。プロジェクト自体は終わっても、別のプロジェクトを依頼される確率も上がりますので、一概に金額的な価値が全てとは言えません。

ただ、前者と後者で同じ時間に出せる作業量がまったく違うのに、金額が同じ、というのはおかしいです。技術や知識を得るために、後者のひとよりたくさん時間を使ってきたはずです。そして得た技術、知識でパフォーマンスを出しているのに、やってない人と同じはおかしいです。日々研鑽して出しているパフォーマンスをちゃんと評価してあげないといけない。パフォーマンスを出してどんどん時間を空けるほうが評価が高い。ということが本に書いてあり(だいぶはしょってはいますが)ひどく共感をしました。そこで、私は「時間だけで技術者の価値を評価してはいけない。単純に人月だけで価値をきめてはいけない」と思うようになりました。

フリーランスになり、半年くらい経ったころ、元ウルグアイの大統領 jose mujica の動画に出会いました。それまでの私は、「時間だけで技術者の価値を評価してはいけない」という思いで突き進んでいました。ただ裏には次のような思いもあることに気づきました。

「技術力があるなら、もっとはたらくのでもっとお金ください」

フリーランスになって、仕事を確保していかないといけない、というプレッシャーもありました。切迫感と不安からくるネガティブなモチベーション。メンタル状態としては、かなり悪い状態だったと思います。それがこの動画で少し変わった気がしています。これを見てから、「家族が最低限幸せにくらすためにはいくら必要なのか?そのためにどれくらいの時間が仕事に必要なのか?家族との時間をできるだけ確保するにはどうすればいいのか?」を考えるようになりました。

(今思い返すと、こういった考え方の一端も、実は「納品をなくせばうまくいく」に書いてありました。当時はあんなに共感してなんども読み直したことでさへも見えてなかったんだとあらためて思います。)

オランダに行くという話題が降ってきたことで、リモートワークということ関して、挑戦してみたかったというのもあります。オランダでリモートワークとかおもしろいんじゃないか、という単純な思いです。上のような考えかたとも合わせて、「オランダに行く」ということに関しては、基本的にリジェクトする理由がはなかったです。(家どうする?とかはあまり考えないようにしてましたが。。。)

さらに、やってみたいことができた。

2016年5月に JAWS-UG と AWSKRUG が共催した meetup がありました。

JAWS-UG、海を渡る!韓国のAWSKRUGと勉強会を共催

ここでの体験がオランダに行くことを後押ししました。私は英語がほとんどできませんが、AWSという話題で共感できたことで、外国人と会話するハードルがぐっと下がったと思います。以前の私は、「ちゃんと英語できないから話せない」日本人だったのですが、これ以降「英語できないけど、meetupしたいからいっしょにやろう」とアクションできるようになりました。実際いっしょにお仕事をする、ということになると、しっかりした英語力は必要だとは思います。ですが、コミュニティという場所では、言語の壁はさほど高くないと思っています。もっと自分と同じ体験をほかのひとにもしてほしい、そして、もっと他の国のコミュニティともコラボレーションしたい、という思いがこのmeetupで生まれました。

今の私の価値観ってなんだろう?

長々と綴りました。誰かに共感してほしいとかそういうわけではないです。今の自分を整理するために書いておきました。「家族との時間をできるだけ確保する」、「幸せに暮らす最低限の金額を稼ぐ」ために、単位時間あたりの価値を最大化しないといけない、そのためには、人月〇〇円じゃいけない。技術と成果の価値を上げて、時間の価値を下げていかないといけない。「時間(90%)+技術(10%) = 100 だから、200時間働かないといけない。」を「時間(50%)+技術(50%) = 100 だから、100時間でいい。」にしたい。アウトプットは変わらない。そういう風になっていってほしい。これが今の「はたらく」に関する私の価値観。